みなさんは「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉をご存じでしょうか?きっと知らない方が多いと思います。
しかし、今回「グレシャムの法則」を知れば、「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉の意味も理解でき、何を意味するのか深く理解することが出来るかと思います。
そして、一緒にまた1つ頭が良くなることが出来たら嬉しいです。
グレシャムの法則とは?
グレシャムの法則とは、金本位制時代に起こった出来事から導き出されたもので、貨幣の額面価値と実質価値に差が生まれた場合、より高い価値の貨幣の流通量が減っていき、いずれ駆逐され、価値の低い通貨ばかりが流通するようになる。という法則です。
金本位制とは、国のお金の価値を「金」に裏付けられた形で金額を表すやり方。しかし1930年ごろから世界恐慌などがあり、世界的に金本位制から現在の管理通貨制度へと移行した。
具体的に考えると
例えば、金:銀の割合が7:3で鋳造される貨幣と、3:7で鋳造される貨幣があり、それらがおんなじ価格価値を持ち同時に流通していたとします。
金を多く含む方を良貨、金が少ない方を悪貨として考えてみます。
仮にこの二つの貨幣を持っている時、あなたならどうしますか?
同じ値段、つまり額面価値としては同じでも、金の含有量には差があります。
するとこう思うのではないでしょうか?
「もしも何かあったときのために、良貨はなるべく取っておいて、日々の支払いには悪貨を使うようにしよう!だって、額面上は一緒だから」と。
ちょっとずる賢い人は「良貨を溶かして地金にして海外に売ってやろう!悪貨で払えばいいし」なんて考えるかもしれません。
すると国内に流通するのは悪貨の割合が高まっていき、いずれ良貨が姿を消します。それがつまり悪貨が良貨を駆逐した瞬間です。
しかし、含有量が異なる貨幣が同時に流通するなどあり得るのでしょうか?
それはテューダー朝の全盛期にあり
16世紀のイギリス。トーマス・グレシャムという役人が居ました。彼はイギリス絶対王政の全盛期にヘンリー8世からエリザベス1世に仕えていました。
ロンドンの商人の家に生まれ、ケンブリッジ大学で学び、商いに長けていた彼は、王室金融代理人として、海外で為替の仕事をしていました。
その時イギリスの良貨が海外に流出して、国内に悪貨が多く流通していることに気が付きました。これは前王ヘンリー8世の時代に財政状況が良くなかったため、貨幣の質を落として鋳造したためでした。
そこでグレシャムは、1560年にエリザベス女王に提言し、新しい通貨を鋳造、悪貨とされる貨幣を回収。
そして市場で取引されている価格より若干低い割合で新しい貨幣と引き換えることとなりました。
つまりグレシャムは「悪貨は良貨を駆逐する」という事を身をもって体験したわけです。
そしてこれらを19世紀にヘンリー・マクロードという経済学者が著作した本のなかで紹介し「グレシャムの法則」と名付けたことでこう呼ばれるようになったそうです。
おまけ:計画のグレシャムの法則とは?
ノーベル経済学賞の受賞歴もあるアメリカの学者ハーバード・サイモンは、組織にもこの「グレシャムの法則」が応用できると説きました。
彼は「ルーティーンは創造性を駆逐する」と言っています。日々の習慣的な業務に追われ、緊急度の高い仕事にばかり焦点が合わさって、長期間を要する戦略的な活動が先送りにされる可能性が高いということです。
確かに、昔からいいアイデアが生まれるときは三上(馬上・枕上・厠上)とよく言ったもので、いずれもボーっとしていたり、リラックスして状態だから創造的なことができるわけです。
なので、毎日に忙殺されていてはいけないわけですね。
しかし個人的には、世の中悪いルーティーンばかりでは無いと思うので、毎朝運動するであったり、英語の勉強をする、みたいな自分にプラスになる習慣はぜひ身につけて損は無いと思います。
自分が思う結論としては、長期的に戦略をあらかじめ練った上で実行している習慣はプラスである。と考えました。逆にボーっとする時間を習慣的に取るという手もありかもしれませんね~。
まとめ
今回は「悪貨は良貨を駆逐する」というグレシャムの法則についてでした。
個人的には意識していないだけで、様々な場面で悪貨が良貨を駆逐しているのではないか?と思いました。皆さんもそんな色眼鏡で一度世の中を見てみてはいかがでしょうか?
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