「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」という本を読みました。
本書はシンプルかつ、合理的な投資法を教えてくれています。
この本の主張を簡単にまとめると、
- 収入の中で暮らして、借金はしない
- 貯蓄率を高め、そのお金を投資に回す
- 投資する先は、低コストのインデックスファンドに投資する
この3つが本書の大きな主張です。
収入のなるべく多くを投資に回す
著者は借金はせず、なるべく少ない固定費で暮らせる術を身につけろ。そして残った分を投資しろといいます。可能なら収入の50%を投資に回すことをおすすめしています。
ではなぜ投資すべきなのか?
経済は通常少しづつインフレを起こしています。
つまり現金を持っていると、お金の価値は少しづつ目減りしていくことになります。現金だけで持っていると実質的な購買力は低下していくことになります。
そこで「投資」です。
成長していく経済に投資することで資産を守っていこうということです。
では何に投資するべきなのか?それは。。。
投資先はインデックス一択
投資先はインデックスファンド一択だと言います。
インデックスファンドとは、
特定の株価指数の値動きに連動するように運用される投資信託のこと。
著者はバンガードという最大手が運営するVTSAXというインデックスファンドをおすすめしていました。
これはアメリカのすべての会社(約4,000社)を含んだファンドです。
つまりアメリカの経済に投資しているという事になるかもしれません。
しかしこのVTSAXは日本の証券会社では買う事ができません。
日本で買おうとするなら、同じようにアメリカのすべての会社含んだETFのVTI(Vanguard Total Stock Market Index Fund ETF)に投資をすることになると思います。
なぜインデックスファンドなのか?
過去のデータから証券マンのような人々が運用するアクティブ運用は、10年間というスパンで見ると、インデックス運用を上回る運用成績を上げたのは約2割。
30年というスパンで見ると0.6%という数値を叩き出した。
あくまでもアメリカの、それも過去のデータではありますが、このことから「インデックス運用に勝るものは無い」と著者は言うのです。
また資産を積み上げる段階では、投資資金の100%を投資に回して、速い速度で資産を増やし、勤め人を引退する5~10年前に株の比率を減らし、債権を15~25%くらいの割合で加えるといいと言います。
詳しくは4%ルールの部分で触れます。
借金・ローンについて
著者は「借金は絶対にするな」と言っています。
- ビジネスローン
- 不動産ローン
- 学生ローン
など。
借金をすると消費ばかりの生活になり、支払いに収入の一部が消えるため収入が目減りする感覚になったり、収入源に依存することによって人生の選択権を奪われてしまう。
精神的にもストレスがかかってしまうなどマイナスな面が多いため、すべきではないと言います。
良い借金・悪い借金について
本書の著者は借金は絶対にするな!もし今あるなら計画的に返済してゼロにしろ!といいます。
しかし、
「金持ち父さん貧乏父さん」でロバートキヨサキ氏は、「借金には良い借金と悪い借金がある。」と定義していました。
自宅の住宅ローン、車のローン、クレジットカードの借金などの支出を増やすだけの借金を悪として、
賃貸物件を購入するための不動産ローンなどの収入を生み出すための借金を善としていました。
本書ではそういった良い借金については担当外で、ただし、細心の注意を払って上手く使っていることを忘れないようにと釘を刺していました。
両者の意見には一理あると思うと同時に、その違いを生み出すのは両者の価値観とリスクの共用度の違いなのだろうと思います。
比較的低コストで、安全で、なによりシンプルで考えることが少ないから楽でいい。
という著者と、
しっかり調べて、一生懸命に努力して、自分を自由にしてくれる事業を作れ。
というキヨサキ氏の違いが借金に関して違いを生んだのだと思いました。
収入を増やす為の借金ならいいのだろうと私は思っていましたが、著者は成功したものもいるが、その陰には多くの失敗した人間と、リスクがあることを忘れるなと言っている感じがします。
4%ルール
投資で資産を「積み上げる」フェーズが終わり、資産を「維持する」フェーズにあなたが到達したとき、この4%ルールが大切になってきます。
4%ルールとは
「資産が死ぬまでに使いきれるように、かつ資産の枯渇リスクを最小限に抑えながら、毎年4%を目安に資産を取り崩す」
という安全に生きるためのガイドラインのようなものになっています。
これは過去の実験で詳しくは省きますが、
伝えたいことは、投資75%:債券25%で所持していた場合に3~4%ずつ取り崩していたら、30年資金が底をつくことなく生活できた。という調査結果でした。
株式100%、株式50%:債券50%、債券100%などほかの条件もありましたが、いずれも100%の確率で30年間資金が維持できるとは言えず、投資75%:債券25%が一番いい成績を出したのです。
つまり積み上げた資産の4%を消費して生活できるくらい資産を貯めて、育てることができれば、今の生活を約30年ほどは資金的にストレスなく生きていくことができるということです。
なので「資産の4%で生活できるようになるまで、投資を続ける」ことが大切になってきます。
今の生活費を25倍した額でも同様です。
今調べたところ、社会人1人暮らしの平均支出は16~19万円らしいです。仮に17万円とすると、年間で204万円。これを25倍した金額は5,100万円。
単純計算ではありますが、5,100万円あれば投資をしなくてもよくなります。
この資産を「維持する」状態は俗にいう「FIREした」状態のことを指すものだと思います。
これは以前読んだ
この本でも同じことを言っていました。
現代ポートフォリオ理論に基づいて投資し、資産を積み上げ、資産の4%の範囲内で生活することができればもう仕事に追われることは無い
と。
なんなら「1年中旅行して暮らし、それでも資産が増えた!」なんて言っていたような気もします。
しかし、今後の経済のインフレや投資のパフォーマンスの良し悪し、寿命など不確実性の多い部分ですから参考程度にしていただけたらと思います。
まとめ
今回は「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」についてでした。
上記の情報以外にも「投資する適切なタイミング」に関してなど、その他有益な情報がたくさん載っているので、是非一度読んでみて欲しいなと思います。
こちらには複利の計算が楽になる、72の法則に関する記事を載せておくので見てみてください。
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