エビングハウスの忘却曲線から見る、効率的な暗記法

学校の勉強や、資格試験、その他すべてに共通しますが、「この前やったばかりなのに、思い出せない。。」「この問題を解くのに必要な公式は何だっけ?」なんて経験ありませんか?

学生時代、私は数学の公式や、英単語なんかはいつも覚えが悪く、「容量の悪い人間だから、人よりたくさんやらなくては!」と必死になっていました。もちろん、反復は必要ですが、そこには脳の仕組みを理解することで、もっと効率的に暗記する余地がありました。

その時知ったのが、「エビングハウスの忘却曲線」です。

今回は、「エビングハウスの忘却曲線」について知り、

短期間でもたくさんの情報が頭に入って、なおかつ忘れない状態を作るために、「忘却曲線」の理解と、理想的な復習タイミングについて、お話していきたいと思います。

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エビングハウスの忘却曲線

エビングハウスの忘却曲線Forgetting curve)は、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによる理論で、時間が経過していくにつれ、人の記憶がどう変化していくのかを表したものです。

研究内容としては、参加者に全く意味の持たない3つのアルファベットを羅列したものをたくさん覚えてもらい、それがどれほどの速さで忘られていくのかを調査しました。

その結果が、下のグラフです。

縦軸、どれほど覚えているかという「節約率」を、横軸は「時間」を表します。

※節約率とは:一度覚えた事柄を、もう一度思い出すまでにかかった時間、または回数をどれほど節約できたかを表す値。

どれほどのスピードで忘れられていくのか

こうした実験結果から、覚えた直後から急激に低下していき、その後緩やかに低下していることがわかります。

具体的には、

20分後:内容の42%を忘れる
一時間後:内容の56%を忘れる
一日後:内容の77%を忘れる
一週間後:85%を忘れる

この結果から、

記憶したことは、一日で7割も失われる

という事がわかると思います。「人って、そんなにすぐ忘れるのか。。。」と肩を落とす方もいるかもしれません。

最初に述べたように、私も「暗記することが人より苦手なんだ」と思っていました。

しかしご安心ください。

忘却曲線を見てわかるように、記憶力が悪いのではなく、人は忘れる生き物だという事を、念頭に置いていただきたいと思います。

もし、忘れてしまっても「忘れてしまうのは当たり前だ!」と胸を張って、ポジティブに何回もトライしてみてください!

最適な復習タイミング

何回も復習するのは大切ですが、ガムシャラに復習すればいいわけではありません。

復習のタイミングや、やり方などは様々ありますが、

今回は、分散学習で有名な、ピョートル・ウォズニアックの考えた復習法をご紹介します。

最初の復習-1日後
二回目の復習-7日後
三回目の復習-16日後
四回目の復習-35日後
五回目の復習-62日後

このように、少しづつ間隔を広げて復習していきます。

なぜなら、人間は忘れていたことを、思い出そうとすることによって記憶に定着しやすくなります。この復習頻度は、記憶していた情報量が90%ほどに減った時に復習するように組み込まれています。

長期的な勉強を要するときは、ぜひこちらを参考にしてみてください。


まとめ

今回は記憶が忘却する速度をエビングハウスの忘却曲線を用いて解説しました。

一日に7割忘れてしまう事に衝撃を受けた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし裏を返せば、3割は次の時すっと思い出せるわけなので、その部分を増やしていこう!という心持ちで毎日勉強してみてください!

そうすればきっと、英単語の暗記や、大量の情報を覚える必要のある難しい資格試験なんかにも、効果的に作用すると思います。

以下の記事では、今回出てきた「分散学習」について詳しく解説しているので、こちらの記事も併せて読んでみてください。

勉強や仕事に「もっと集中できるようになりたい!」という方は「ポモドーロテクニック」という有名な方法について解説しているので、こちらもぜひご活用ください。

<参考>

超効率勉強法:DaiGo著

コメント

  1. […] じな本書なのですが、個人的にはワーキングメモリや、人間の記憶の忘れ具合(エビングハウスの忘却曲線)に関して、この本を読んだとき初めて知って、とても現在に役立っている知 […]

  2. […] 度覚えたら忘れない」なんて方はいないと思います。人間は忘れるものだと念頭において、効率よく記憶しようというやり方の一つがエビングハウスの忘却曲線のようなものになります。 […]

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